人口問題系の炎上ネタ
話題にすると炎上商法に加担するようで、控えてしまうのですが、
日本での出産数が激減している背景を
政治家のみなさんや有識者とされる方々の多くが
昭和の「ある時代」で思考を止めて、
勘違いをなさっておられるのかな?と強い違和感を感じます。
「生意気なバリキャリの女が産まないから子どもの数が増えない」のではなく、
「(生意気なバリキャリの女すら)産みたくても産めない社会だから子どもが増えない」。
私は体外受精件数が世界一多いクリニックに長く勤めていたこともあり、
既婚かつ高所得で妊活している男女のカップルですら「男性が積極的に治療に参加している方が希少」という事実は、
もっと社会で周知されるべきだな。と感じてきました。
「34歳以下の生殖好機にある男性すら産み控え」ている社会的な課題として、
いろんな解決策(まずは「子ども欲しくないのはオレだけじゃない」という認知
→「なんでだっけ?」→言い訳を1つずつ社会問題として潰していく)を模索し、
前向きに妊活ができるような社会的な支援を望んできました。
「婚活難民になりやすい」バリキャリ女性たちの相談を長く受けてきた者として、
そもそも、妊活は「努力すれば」「課金すれば」必ず実るものではなく、
先端医学を以てしても不妊症の治療法には、そう高くはない確率の技術限界があり、
かつ、事前に必要な情報や有効な情報があり、それらは伏せられた社会で、
卵子と精子の年齢、子宮や卵巣の機能、それらが整っていたとしても、
細胞同士の遺伝的な相性まで関わるため、
みなさんが思い描く「普通の出産」こそ、「奇跡」と呼ばれます。
産まれるまでの期間の胎児のことも、
生まれてからの数年間も、子どもへの心配事は休みなく、尽きません。
胎児期の検査で分かる情報は十分とはいえず、
確率論を手探りで素人が選択して決断するのが妊活です。
せめて、この国の全ての出産を「よく生まれてきてくれた」「ようこそ日本へ」と言える社会であってほしいのに、
一人で生きていくにも大変すぎて、
それを誰かと二人になっても楽になれるわけではない。
付き纏う自己責任の厳しい眼差し。
難なく妊娠できても、育児と就労、介護も抱えて
不景気に物価は高騰、消費税は無くならず、家族になっても生きていくことが大変。
日本社会が子宝を望んでいるのなら、
子宝を迎えうる豊かな社会を創らなければ。
イマココ。
子どもをいつ誰が産んでも安心な社会は、
一人で生きている人たちも安心で、
人権が保障されている国であると日本人皆が感じているという証。
今の社会が、そうではないという危機。
この国のこれまでの政治に、怒ることを教わっていない国民が、
どうしたら、自分たちの人権を守れるのか?
いつまでも自力で備えなければ産めそうにない女性たちを、
いつまで緊急避難させればいいのか?